2018年1月23日。夜。
カッパドキアはワインが有名とのことで、夕食のときにはいつもビール派がワインにしてみたりするそんな夜。
夕飯はキョフテだ。
ハンバーグの小さいのとか、肉団子とか呼ばれているが、とにかくうまい。
大体トルコのメイン料理には、ライスが付け合わせでついている。
インディカ米はサラダの感覚なのかもしれない。
とはいえ、日本に帰ってジャポニカ米茶碗一杯食べて、サラダを食べたなどと思ってはいけない。
プリンのような菓子が良く出てくる。
後ろの透明な器の中身はアイスクリームだが、ドンドルマ(伸びるアイスクリーム・トルコアイスとして知られている)ではない。
夕食を終えて部屋に戻ると、細かなさらさらした雪が降っていて寒かった。
さて、この日の夜、私はホテルでハマムを頼んでいた。
ハマムはトルコ風の蒸し風呂のことで、あかすりやマッサージが頼める。
ここのホテルでは日本語と英語対訳の料金表があるが、料金はユーロ表記だ。
チェックアウト時にレセプションで支払いをする際に、トルコリラでといえばトルコリラで支払うことも可能だ。
ただ、先にユーロからトルコリラにしたらいくらになるのか自分で調べておかないと結構慌てることになる。
ということで、一番安いあかすりとマッサージだけのコースにしておいた。
他にも、セルライトマッサージや痩身マッサージなど、個人的に気になるマッサージがたんまりあった。
念のため、部屋にあったハマム用のバスローブを持って行ったが、こんな格好で外に出たらたちまち氷の彫像になってしまいかねないので、結局使わなかった。
先に電話がかかってきて、予約時間の確認かと勘違いしたが、本当は予約時間を早めてほしかったようだ。英語能力が申し訳ない……。
さて、それでも予約時間より早めに行くと、すぐに対応してくれた。
まず、お姉さんが英語で説明してくれる。
とても神経を集中させて英語を判読する。
どこから来たの?という問いにはジャパンと答え、これからどこに行くの?という問いにはアンカラと答える。なんともカタコトだ。
お姉さんが持ってきてくれた布のバスタオルは小さく、大きいのを持ってきてもらったが、それが良かった。
ここのハマムはプールが併設されていて、サウナからハマムに向かう途中にプールがある。
バスタオルが小さかったら危ないところだった。
着替えをする部屋までお姉さんが連れてきてくれたが、二つのサウナに入るところまで分かったものの、その次がわからない。
「Where……I go……?(私はどこに行けば……?)」
なんとも情けないが、お姉さんにサウナまで迎えに来てもらうことになった。
まず、普通のサウナに5分、そのあと蒸気サウナに5分。
時計は無いので、自分で数えながら入る。
充分ふっくら蒸し上がったところで、お姉さんが迎えに来てくれる。
ハマムは大理石の台の上であかすりをする。
あかすりは中々力がすごく、爪にフロストネイル(つやのないちょっとざらっとしたマニキュア)を塗っていたが、フロスト部分がなくなってつるっとしたネイルになっていたほどすごい。
ガイドさんが言うには、一か月に一回くらいはハマム行くよとのこと。
トルコの人がお風呂好きのおかげか、今回バスタブのないホテルはなかった。
あかすりが終わると、大きな袋で泡をふわふわ立てて、マッサージに入る。
これがなかなか痛い。
お姉さんは痛くないか?と聞いてくるが、多少痛いくらいでないとマッサージなど効かぬわぁ!と、そのままやってもらった。
表面積が広い体形なので、お姉さんも大変だったと思う。
頭からつま先までしっかり洗い、マッサージもされ、終わると水をくれる。
水を飲んでお姉さんにお礼を言おうと思ったが、掃除にでも行ったのかいない。
受付にお礼を言って部屋に戻り、部屋に来るまでに少し冷えたので試しに部屋の風呂のお湯を出す。中々にぬるかったので、そのまま寝ることにした。
寝る前に足を見ると、むくんでいたのがすっかり細くなっていた。
乗り継ぎの飛行機、バス移動と、あまり水分を取っておらず、足のむくみが気になっていた。
なんとそれがすっきりきれい。
ハマムの威力に驚いた。
翌日、もう少し英語ができる人によれば、ハマムでマッサージを担当しているお姉さんたちはインドネシアの人だという。
あれはバリ式マッサージ??
どちらにしても、むくみが解消したので特に問題はなかった。
(続く)